逆にもしも口から出るアウトプットを歪めてしまうと、気持ち悪さが後をひく。
何を隠そう、こころ館研究員吉田もそんな歪んだアウトプット歴半世紀。
「ほんとにその解釈でいいの?」と周囲からつっこまれ続けてきた。
心のまま真っ直ぐ、さらけ出しの清々しさを知ったのは、つい最近の話。
ようやく心と言葉が一致した状態で生きるようになった。
おもしろいもので、”ありのまま”を生き始めると、周りの人にもちょっとした影響を与えるようになる。自分自身の”歪んだアウトプット”に気づく人が現れはじめたのだ。
私には「姉」と慕う女性がいる。還暦過ぎた人生の先輩。外国籍のパートナーがいて、ふだんはカリフォルニアに住んでいる。
彼女もまた、歪んだアウトプット組。
「あなたが私のことを必要だと言うのなら一緒にいてあげてもいい」
など口からでる言葉は上から変換。でも心の中に『さみしい』がいっぱいあるのを周りの人は気づいている。
そんな彼女、最近まで数ヶ月、私の家に滞在していた。
心と言葉の”歪み”が改善された私のビフォーアフターに気づいたかはわからないが、
先日アメリカに戻った彼女からメールが届いた。
初めて”正直な気持ち”をパートナーに洗いざらい話した。一緒にいるのに寂しかったことや、気持ちをわかってもらえないことなど。いくら心のままを話しても、やっぱり伝わらなかったと。
ずっと目を背けてきた幸せじゃない2人の関係を、彼女はありのまま直視できたんだ、と思った。
何日か後、お別れした彼女のパートナーから連絡が来たらしい。
かかりつけのドクターに、『自分の性格のせいで彼女が去った』ことや、彼が長年抱え続けていた辛さをは初めてドクターに全部ぶちまけられたらしい。
そうしたらベトナム戦争後のPTSDとの診断がおり、来週から治療が始まるらしい。
彼も、今まで本心を見せたことなど、ただの一度もなかったんだとか。
彼女が正直な気持ちを告げることがなければ、彼はきっとこれから先も、長年抱え続けていた計り知れない辛い気持ちを、誰かにさらけ出すことなどなかったかもしれない。
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