夜お酒を飲みながら、ふと代表が口にした。
「私、がんばらなくていいよって言葉が1番嫌いやねん」
「がんばらなくていい」と声をかける風潮があるけれど、それは本当にがんばってしんどい思いをしている人にかける言葉。がんばってない人に”がんばらなくていいよ”なんて言ってはいけないのだと。
「あなたいつがんばるのって話やろ?」
何の流れでこんな話になったのか。
耳の痛い話だった。
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会社に勤めていた頃に犯した私の過ちのひとつに
「手を抜くことを覚えた」というものがある。面倒見の良い先輩に囲まれ、守られた環境に甘んじているうちに、最後までやりきるということを怠るようになってしまった。
仕上げは先輩が、判断は上司がしてくれる——そんなスタンスで、常に60%のエネルギーで動くという”手抜き”を覚えたあたりから、私のスキルは目に見えて下がった。当然だ。0.6をかけ算していったら、積はどんどん減っていくのだ。できていたこともできなくなる。そして仕事は面白くなくなる。
100%以上を出さない限り、伸びないのだ。
むしろ減ってしまうだ、能力というものは。
それを痛感しているから、この話題は本当に痛かった。
いつも120%でがんばっていた前職のみなさん、本当にごめんなさい。
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代表が語気を強くしてそんな話をした背景には、彼女なりの想いがある。
常々、自分を活かして生きることの大切さを説いてきた代表。自分の持っている可能性を活かすことなく生きている人を見ると、胸が痛くなるのだという。自分らしく生きていない時間を過ごす人を見るのが悲しい。
時間は、命。
彼女は、”命の無駄遣い”が何よりも嫌いなのだ。
手を抜くことを覚えた、がんばらないを選んだ私のあの時間は、
まさに命の無駄遣いだった。
私は今、猛烈に反省している。
ここで言う「がんばる」とは、一生懸命とか、やり切るといった言葉に近いんだと思う。がんばるっていうのは、命を大事にして生きるってことなんじゃないだろうか。
だから、がんばらないなんて、もったいないことを言ってはいけない。
ましてやよっぽどのことがない限り「がんばらない」を人に勧めてもいけない。
がんばって、努力して、やり切る。言葉にしたら古いけど、人生これに尽きるんじゃないか。
それが現時点での私の結論である。
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